GKAの教育

イマージョン教育

イマージョン教育について

イマージョン教育とはバイリンガル教育の1つの方法で、本校では算数・理科・社会・芸術等、教科の70パーセントを第二言語で学びます。

英語を学ぶことが目的ではなく、英語で学ぶことで知識、概念を習得します。第二言語の英語は手段にすぎません。

また本校ではチョーク&トークの一方的な授業ではなく、具体的な活動を通して課題に取り組むことにより、子どもたちは高い適応能力で自然に英語になじんでいきます。

小学校6年生時には自分の考えを持ち英語でディベイトできることを目指します。さらに、中等部、高等部において高度な英語に浸ることにより子どもたちは本物のバイリンガルへ成長していきます。

イマージョン・プログラムの歴史

現在、イマージョン・プログラムはヨーロッパからアフリカ、アジアと世界各地で行われています。 カナダのフランス語圏の親が従来の第二言語としてのフランス語教育では使えるフランス語を習得できないということから、1965年にイマージョン・プログラムが始まりました。今ではカナダ全土に広がり、学校の数だけイマージョン・プログラムを行っているといえる状況です。

アメリカでもスペイン語イマージョンが1970年代に始まり、10を越える言語を使い百数十の学校で実施されています。日本語でのイマージョン校も10校を越えています。

英語の習得による母語への影響について

カナダ・アメリカ、日本で行われているイマージョン・スクールのいずれでも母語の力は同等かまたは少しよいという結果が出ています。国内外の研究によるとバイリンガルの子どもは多様な思考力・表現力・洞察力を身につけ英語との比較により日本語をより深くとらえるのではないかと言われています。

70%のパーシャル・イマージョンといっても子どもたちの起きている時間の言語環境は圧倒的に日本語です。テレビ・新聞・親子の会話等は日本語ですから、日本語の習得に問題を残すことはありません。

しかし、通常であれば国語以外の科目も日本語で学んでいるわけですから、日本語で学ぶ時間は大変少なくなります。それを補うための国語の授業を担当する教師の努力は大変なものですし、家庭での日本語による読書は大変重要になってきます。こうした努力が必要なことを忘れないでください。

なお、英語で習った理科・算数等の専門用語については、英語サイドの担任と連携をとりながら国語の授業時に英語と日本語の語彙を結びつけるという補足活動が行われます。

カリキュラムについて

本校は構造改革特区校なのでカリキュラムは柔軟に対応することができます。普通の学校では英語の授業を教科として指導することは出来ませんが(現在は、3・4年生では総合学習の時間の中で国際教育や英語教育を行うことは可能となり、5・6年生では教科として週に2時間学習する)、本校の初等部では英語とコンピュータを教科として授業を行っています。

また、文科省検定教科書の翻訳教科書の使用、外国の教科書の使用も可能です。ある部分は学年を超えて早めに取り入れたり、程度の高い内容を取り入れています。基本的にカリキュラムは文科省の学習指導要領に従っています。

本校は英語を学ぶことが主目的の学校ではありません。英語で学びながら自分の意見を持った国際人を目指しています。なお、二言語による教育のため授業時間数は公立学校より多くなっています。

イマージョン教育を振り返って 初等部前副校長 井上春樹

〜イマージョン教育は言語習得以上に大きな価値がある〜

  • 開校前に“イマージョン教育への3つの疑問” として当時心配されていた「1.フラストレーション 2.学力の問題 3.母語である日本語の乱れ」という疑問も現在問題となっていない。
  • 小学生で英語で考え、英語で意見を述べられるのは、圧倒的な英語の時間の中にいることと、意味のある内容を英語で学ぶという「Content Based Instruction(内容重視の教授法)」が可能にした。
  • 国語が英語イマージョン教育を支えている。日本語で討論し、日本語で論理的に話せない者が、英語で討論し、論理的に話すことは出来ない。国語の研修でクリティカル シンキングの育成に焦点を当てて研修をしている。
  • 言語習得を越えて、柔軟で多様な思考、分析的で論理的な思考、クリティカル シンキングが習得され、自分の意見を持てる今までにない日本人が育っている。
  • イマージョン教育の基盤にオープン教育があるからこそ今までにない日本人が育っていくことが可能となった。
  • 初等部でのオープン教育はIBにそのまま直結していく。
  • 開校前の疑問は現在話題にすらならない

    ぐんま国際アカデミーは、2005年に英語イマージョン校としてスタートして以来、学年進行と共に中等部・高等部が開設され、またIBワールド校として認定され、初等部から高等部までの12年一貫校として整ってきました。

    振り返ってみれば、開校する1年半前(年中児と2年生児)には校舎も教科書も先生もなく学校として全く先は見えませんでした。それでも説明会での説明のみで入学を決断した保護者や児童の皆さんは凄いなあと改めて思います。それだけの期待と不安…!
    そして、開校1年前に校長予定者のCooper氏と日本人教師五名と英語ネイティブ教師2名で準備室がスタートしました。
    1ヶ月も経たない内に「早くカリキュラムや学校経営方針の説明を聞かせて!」の声、「待ってください。我々だって来たばかり、準備でき次第説明会を行います。」と。
    校舎が形を表し、4月に初等部を開校することが出来ました。あれからここまで…。

    開校前から「教育特区による特色ある学校づくり ―国際社会の中でリーダーとして活躍できる国際人の育成を目指してー」として取り組んできました。
    開校前に“イマージョン教育への3つの疑問”として当時心配されていた、

    1. 異言語環境にフラストレーションを起こさないか
    2. 異言語で学んで学力に問題がないか
    3. 異言語環境の中で母語である日本語に乱れを生じないか

    という問題も先生方や保護者の努力により現在では話題にすらならない程問題となっていません。

    1. 言語環境にフラストレーションを起こさないか ということについては、改めて子どもたちの柔軟性に驚かされます。
    2、3週間もすれば、「先生の言っていることは全部分かる」と。勿論言語で指導するのでなく、Content Based Instruction(内容重視の教授法)として具体的な活動・経験をすることによって内容を理解していくこと、また、低年齢児の子どもたちの素晴らしいヒアリング能力の習得力に負うところが大きいのです。

    2. 異言語で学んで学力に問題がないか という点については、文科省の全国学力・学習状況調査の結果も見れば明らかです。

    比較表

    上記を見ると算数・国語とも全国平均を大きく上回っています。驚くべきことは、主として活用の部分の方が格段に全国平均を上回っている点です。

    3. 異言語環境の中で母語である日本語に乱れを生じないか という点についても国語の結果からも判断できます。
    一般教科の7割を英語で学んでいるといっても、英語に接している時間は子どもが起きている時間で考えると3割にしかならないのです。自宅に帰ると親子の会話・TV・新聞と周りの言語はほとんど日本語なのです。
    第二言語を学ぶことによって、母語にもいい影響を与えているのではないかと経験的に感じています。

  • 子どもたちの英語力は

    開校以来携わってきたイマージョン教育について最近つくづく思うことがあります。

    子どもたちの英語力はどうなのでしょうか。2011年11月のBS-TBSの取材の際、「GKAの子どもたちは、通りすがりの子ども誰に取材しても、自分の考えを述べてくれますね。しかも英語で。」と話してくれました。
    また、秋田教養大学の生徒と本校の6年生と英語で語り合おうという企画がありました。5名の生徒と行きました。参加者を募集したところ、106名の児童の中から28名が手を挙げてくれました。ただ男の子は5名だけでしたが…。
    「日本の国際化をどう進めたらいいか」とか「環境問題にどう取り組んでいるか」とか小学生にしてはかなり高い内容について自分の考えを英語で述べ英語で質問し、堂々と英語で大学生と渡り合ってきました。

    本校の中等部3年生にはTOEICのスコアが900点を超える生徒もいます。中等部3年生に大学入試センター試験の英語をやってもらうと、ほとんど満点に近い点を取りました。英語力の習得については、予想通りの大きな成果を修めています。
    10(高1)年生では、日本で英語学・英文学専攻する大学4年生の平均点である585点を上回る603点であり、12年生の卒業時には大きく上回るでしょう。
    彼らは、英語で考え、英語で自分の意見を述べられるまでになってきました。私立の小学校では四十年以上前から週3~5時間の英語科の授業をしてきたところがありますが、小学校6年生が英語で考え、英語で自分の意見を述べるという壁を乗り越えることが出来ませんでした。しかし、イマージョン教育はこの壁を越えたのです。
    両親と一緒に生活をし、日本文化を身につけた中で、バイリンガルになっていく方法としては、イマージョン教育以上に良い方法はないでしょう。

  • なぜ、小学生で英語で考え、英語で自分の意見を述べられるまでになったか

    なぜ、小学生で英語で考え、英語で自分の意見を述べられるまでになったのでしょうか。
    これは圧倒的な英語の時間の中にいるということです。小学校6年間で4,700時間英語に浸る時間(高校卒業までに1万時間を超える)となるのが一つです。
    しかし、重要なのは、意味のあることを英語で学ぶということです。コミュニケーションできるということは、英語で投げかけられたら、決まり切った方法でなく、その場にあわせて英語で応えることです。意味のある場で意味のある内容を英語で学ぶという「Content Based Instruction(内容重視の教授法)」だからこそ英語で考え、英語で自分の意見を述べられることを可能にしたのです。

    ここで重要なことは、内容重視と言いながらも教師の一方的なチョーク&トークの授業では自分の意見をしっかり持つことは出来ないと言うことです。問題解決学習というような子どもが問題に主体的に向き合って考え自分の意見を持つというクリティカル シンキングを重視した授業の中でこそ自分の意見を持てるようになるのです。

    また、「国語科」が英語イマージョン教育を支えているという点も重要なことです。日本語で討論し、日本語で論理的に話せない者が、英語で討論し、論理的に話すことは出来ません。
    国語の研修でクリティカル シンキングの育成に焦点を当てて研修をしているところは、あまりないかもしれませんが、本校では国語の授業でもクリティカル シンキングの育成に力を入れています。

    また、保護者の皆様には、”英語教育を受けさせる場合、英語以上の時間と労力を豊かな日本語を育てるために費やす努力が必要だ”と認識していただいていることも大きいと思います。

  • 言語習得以上に大きな価値がある

    1992年に加藤学園でイマージョン教育をスタートさせてから、イマージョン教育に関わって19年が経過しましたが、その中で一番強く思うことがあります。
    イマージョン教育というと、英語教育・言語教育・バイリンガル教育として関心を持って下さるのですが、「イマージョン教育は、言語習得以上に大きな価値がある」ということです。何人かの本校の保護者も、「先生、イマージョン教育って英語習得以上に価値があるのですね」と言って来てくれました。「英語で学ぶという当初の目的から、英語で学ぶ事から得られるものに興味が移って行きました」と話してくれました。

    言語習得を越えて、柔軟で多様な思考、分析的で論理的な思考、クリティカル シンキングが習得され、違いを違いとして受け入れた中で自分の意見を持てる今までにない日本人が育っていくことに気がついて来ている方々がいるのです。
    クリティカル シンキング(論理的・分析的・批判的思考)では、ある事柄を中立的に分析し価値判断し説明することを意味し、時にはあることをネガティブに懐疑的に見ていきます。「論理的、分析的、批判的」な能力(スキル)を持つだけでなく、そうした生き方が出来るようになっていきます。グローバルな世界で新しい価値を創造できる人間、多国籍の人と一緒に仕事ができる人間が育って来ていることに気がついてきているのです。

    これは、二言語で学ぶことにより多様な思考法を身につけるようになったということもあります。また、13か国という多国籍で多様な価値観を持った先生方と学ぶことにより、多様性を身につけるようになったということもあります。

  • イマージョン教育の基盤にオープン教育がある

    また、オープンの教室構造からも来ていることもあります。すべてオープン教育を取り入れているわけではありませんが、オープン教育の理念を取り入れていることも大きな要因です。閉じられた教室で、教師の一方的なチョーク&トークの授業でなく、具体的な活動・具体操作を通して自ら課題に各自が自由な大気の漂うオープンな空間で学んでいくことを先生方が大事にしています。イマージョン教育の基盤にオープン教育があるからこそ今までにない日本人が育っていくことが可能だとも言えます。

    2011年10月にIB(International Baccalaureate)校として認定され、2012年4月高等部二年生からIB Diploma Programmeの授業が開始されました。IBは各国の教育政策にとらわれない統一カリキュラムのもと、柔軟な知性を育て、国際理解教育を行い国際的な大学入学資格を世界各国の生徒に提供するものです。IBの特徴は知識・情報などの暗記や板書での講義重視といった、いわゆる“知識の詰め込み”的な内容ではありません。
    オープン教育の理念は、IBの理念と共通性が非常に高く、初等学校でのオープン教育はIBにそのまま直結していきます。今後、高等学校で本格的に英語でディベイトし、英語でプレゼンテーションしていく中で、ネイティブに近い英語力をつけていくことでしょう。

    我々の学校は、英語習得が単に大学入試に有利なための学校ではありません。自分だけが豊かな生活を送りたいという勝ち組を作るための学校でもありません。グローバルな世界で新しい価値観を創造できる人間の育成を目指していきます。

    12年を経過した高校卒業時には間違いなく、”ぐんま国際アカデミーを選択して良かった”と言えることでしょう。私は確信しています。